NPO法人自然環境観察会 活動月:2022年8月
行事名:上尾のオアシスの管理と生き物観察、8月6-9日(火)
・上尾住宅地に設けた『生態補償地』=『緑のオアシス』には木本や草本の植物70種以上が植栽され多数の昆虫や鳥の中継地やハビタット(生息場所、蜜源植物)になっている。
・そのうちの一つに鳥が運んで来たパイオニアプランツのネムノキ(8年生、樹高約5m)があり、初夏の蜜源になっている。道路に出ないように時々剪定し、また強剪定して翌年度に開花抑制されないように注意している。
・今年の開花は平年並みに6月中旬に開花し後半に満開、7月上旬に開花終期を迎えた。
しかし今年はめずらしく8月に入り高温化が影響したのか、上旬に1割ほどが返り咲いた。 *返り咲き:これまでにはプラム葉がモンクロシャチホコの大食害にあい秋に返り咲きしたことがある。
8月6日、緑の景観地の月例の管理、シラカシやアカメガシワなどの灌木伐採と下草刈りを実施。作業中や休憩中に向かいの水田に多数のトンボが飛翔しているのに気が付いた。
トンボは近くの特定の2筆の水田から湧き出たように見えた。水田は湛水期、稲は出穂初期、雨続きのあとの晴れから曇りの8月6日~7日のことである。捕獲して調べたら南方系の長距離移動性のウスバキトンボ, Pantala sp., wandering glider。南面に開けた草原や水田の上空を北から南東方面にスイスイ静かに滞空しながら飛翔。下層では地域残留性のシオカラトンボやオニヤンマヤンマが水田や湿地の水面を飛翔していた。
その後8~9日に観察したらウスバキトンボは数匹のみ飛翔、大方は南方に飛び去ったようである。(春に大群飛来して水田に産卵、夏に羽化して南に飛来すると思われる。今回の観察で夏の一斉羽化に遭遇したようだ)
毎年見られる現象ではない、不思議な現象である。
*次回はヒメジョオンの観察と生き物。