活動レポート

『緑のオアシス』:桶川・上尾-33 4月の管理と観察!

4月、植物・昆虫・鳥の観察 !

【管理】
生態補償地(緑のオアシス)では例年より遅く4月上旬にサクラ満開。先月に続きムラサキハナナ、コマツナ、ダイコン、ハルジオン、ナズナ、タンポポ、スモモ、アンズ、ハナカイドウが開花しました。ムギは開花から登熟期(※1)。後半にはナヨクサフジが咲き始めました。                                            前半困窮したのは草丈40㎝余りに繁茂したナズナ、後半は強害雑草で草丈80㎝を超えたカモジグサ(イネ科エゾムギ属)の一部出穂(※2)も始まりました。除草は草刈り鎌で根元から刈り取りました。頑強な株はシャベルを使って掘り上げ排除しました。
樹木では入口のシンボルツリー「エノキ」。2015年3月植栽の10年生で樹高数mの高木になり、枝先は道路にはみだしたので枝おろしを行いました。                        
                                                      【生き物】 
①植物 先月に続きムラサキハナナ、ナズナ、コマツナ、ダイコンが開花、次いでヒメオドリコソウ、タンポポが開花。ジャコウアゲハの餌となる食草(ウマノスズクサ)も出芽し伸長しました。                            ②昆虫 草むらにはナナホシテントウ、菜の花(コマツナ)にはヒラタアブ類、ミツバチが求蜜にと花粉採集に来ました。先月に続きユキヤナギにはユキヤナギアブラムシが発生し、ナミテントウとクロアリが集まりました。その後ナミテントウはコデマリ、ムギ、ムクゲに移動しました。アゲハ、アオスジアゲハ、ルリタテハ、ナガサキアゲハも飛翔してきました。
保全対象種のジャコウアゲハ(成虫)は前年より2週間早く中旬にオスが羽化、次いでメスが羽化、直ちに交尾しました。産卵も多くなり、一部孵化して幼虫が出現しました。                                        ③鳥類 桶川オアシスでは、晴天の中旬にキジ雌雄が草原に現れ、若葉や土中を突いて採食していました。ヒトに慣れているようで落ち着いて採食していました。ほかにコゲラやモズ、ヒヨドリ、キジバト、カラス、スズメ、カワラヒワ、ツグミ、メジロも観察しました。コジュケイは遠くで鳴いていました。                

※1 登熟期とは、豆類など農作物が結実して次第に成熟していく時期のことです。
※2 出穂(しゅっすい)とは、茎の中から、さやを割ってうす緑色の穂が出てくることです。

生態補償地桶川の前景:中央のビートルバンク(生物保全地)内に生育する大樹ムクノキと周辺の草原。草原にはムラサキハナナ、コマツナ、ダイコン、カラスノエンドウ、ハルジオン、ハナカイドウが開花し蜜源になった。ジャコウアゲハの食草「ウマノスズクサ」も伸長してきた。
植栽後10年生のシンボルツリー「エノキ」が繁茂してきたので枝おろし。令和5年度みどりの活動支援補助事業で入手した長尺のこぎりが大変役立った。
ヤマブキ:令和5年度みどりの活動支援補助事業で植栽し、4月に開花した。ほかにハナモモ、オオムラサキツツジ、カマツカ、ルビーサンザシなどが開花、チョウやハチの蜜源になり多様性保全に貢献した。
越冬世代ナミテントウ:4月はユキヤナギ、コデマリに多く集まった。成虫は個体により羽の模様が異なる多型現象(※)。例えば左の写真ではメスは赤地黒斑多数、オスは黒地2赤玉、右の写真はオスメスとも黒地2赤玉、多型は数種のパターンに分かれた。
※ 多型現象とは、同種の個体に形態的な差が生じること。
ナミテントウ:4月中旬の春日和、黒地に赤玉のメスがタチヤナギの葉裏に卵塊を産付けた。
ジャコウアゲハ:生態補償地で保全対象。今年のオス成虫初見は4月15日(昨年より半月早かった)23日に交尾を観察、食草に産卵も見られた。
ヤママユガ科オオミズアオ雌:生態補償地(桶川)で初観察。昨年植栽されたサクラの下草のカラスノエンドウの草むらで見つかった。捕獲後数日間に約60個を産卵した。
カワラヒワ:生態補償地(上尾)にある柿の枝先に止まった。
団体名
NPO法人自然環境観察会
活動日
202459(木曜日)
活動の参加者数
3人