活動レポート

『緑のオアシス』:桶川・上尾-25 9月の管理と観察

NPO法人自然環境観察会

今回は2023年9月に実施した、桶川の『緑のオアシス』=『生態補償地』の保全管理・生物観察について報告します。


熊谷気象台の9月の気象情報によると、6~8月同様、平年以上に高温少雨に推移しました。その影響もあり動植物は増加、繁茂したようです。
作業中、ヤブカ(ヒトスジシマカ)によく刺されました。繁茂したカナムグラの擦過傷にも往生しました。
そのほかオオブタクサ、コセンダングサ、イノコヅチ、キツネノマゴ、イヌタデ、カモジグサ、メヒシバ、ヌカキビが繁茂していました。
蜜源植物ではアベリアとキバナコスモス、キクイモが満開、ブッドレア、セイヨウフジバカマも目立ちました。夏の名残り、ヒメジョオンも数株開花していました。
地面では翌春の蜜源に期待されるムラサキハナナ、ダイコン、コマツナが出芽し始めました。9月後半、周辺の水田では稲刈りが終了しました。


昆虫では、今年3回目成虫のジャコウアゲハ、アオスジアゲハ、アゲハ、キアゲハ、ナガサキアゲハが飛来、吸蜜、産卵。そしてジャコウアゲハ(寄主ウマノスズクサ)、アオスジアゲハ(タブノキ)の幼虫も見られました。
草むらにはヤガ類のハスモンヨトウ、シロシタヨトウなどの幼虫が多くほかにトノサマバッタとツチイナゴ、オンブバッタ、桑にはキボシカミキリ、樹木にはジョロウグモが多かったです。
高木(ムクノキ、アンズ、ウメ)ではツクツクボウシが鳴いていました。
その他クマバチ、キタテハ、イチモンジセセリ、モンシロチョウなどが観察され、シオカラトンボ、アキアカネ、ノシメトンボも飛来しました。


ワタは順調に生育し開花、一部蒴果と綿が見え始めました。
鳥類ではモズが作業中近くに寄ってきて遠くにはコジュケイが鳴いていました。
地面にはヌマガエルの成体が多くなり、草葉にはニホンアマガエルも目立ちました。
9月のポイントは10月の『緑のオアシス』見学者に備えて足元の雑草を刈り観察通路の動線確保に奮闘しました。

桶川の生態補償地(緑のオアシス)前景:通路を草刈りし観察用動線をつくった。東側にキバナコスモス、西側にクスノキ、ヒロハマウンテンミント。キツネノマゴは両側全面に繁茂した。(9月28日撮影)
草刈り:奥の竹やぶ(マダケ)まで草刈り、観察通路を広げた。マダケ、ビービーツリー、アンズなどは健全。
キバナコスモス:7月以降咲き出し8~9月満開。写真は吸蜜に来たキアゲハ。(9月28日撮影)
ナガサキアゲハ:オスに次いでメスが飛来した。写真はブッドレアの花に来て吸蜜した雌の成虫。
アオスジアゲハ:クスノキ科タブノキ葉上の成熟幼虫。成虫はクスノキに産卵に来た。(9月28日撮影)
ジャコウアゲハ:吸蜜、産卵に現れた雌、クスノキ葉上で静止。周辺の食草ウマノスズクサには卵と幼虫が見られた。
キボシカミキリ :桑の木に止まっていた。この時期近くのイチジクでも目立った。
セイヨウフジバカマ :よく繁茂し満開。吸蜜に来る昆虫はキバナコスモスへの飛来数に比べ多くなかった。
キツネノマゴ:オアシスのあちこちに自生している。見かけるたびに引き抜く。セセリチョウの蜜源になっていた。
団体名
NPO法人自然環境観察会
活動日
2023930(土曜日)
活動の参加者数
4人