まだ4月なのに夏日を迎え、活動するには暑いくらいでした。植栽地の苗木や樹木には若葉が一斉に芽吹いていました。野の花も今年は寒暖の差が激しく、咲くのが遅かったのですが、ようやく咲いた感じです。30本のコナラ、クヌギの苗木を植える日のために、前回、株立ちで混んでいる木を伐採し(※)地拵えをしました。
(※)地拵え(じごしらえ)とは、伐採後に取り残された木の根や枝などを整理して新たな苗を植栽できるように土地を整理する作業のことです。
しかし、いざ植えようとすると伐採した丸太や幹、枝がまだまだ散乱していました。それらを退けながら、まず、植える位置を決めて、全員で木製の穴掘り機やシャベルで穴を掘りました。わずか30本の苗木ですが、駐車場から植栽地まで運ぶのに20段ぐらいの木の階段を登らなければなりません。一輪車に5本ずつ載せ、二人で車の前後を持って横向きに運びます。
冬は活動を控えていたので体が鈍っています。そこに突然の重労働です。最初から皆、体に堪えたようです。また、苗のポットを坂の下の穴まで運ぶのも重くて一苦労でした。穴をあけてから移植コテで苗を植えます。それぞれ疲れているのか、体を調整しながらの植樹でした。
前回玉切りした丸太がそのままになって散らばっており、中太の幹や長い枝が山になっています。それらを運びましたが、一か所に山にしただけです。杭を打って柵を造りそれらを整理する仕事が残っています。植栽地をよく見ると、(※)林冠がうっそうとしたところが除かれたので全体が明るくなっています。そこに植樹すると苗は日を浴び、良く成長します。
(※)林冠とは、森林の頂部で枝葉の茂った部分をさします。 一本一本の樹木の枝葉の広がりは樹冠とよび、それらの集合を林冠といいます。
そして、大きな木は残されているので、それらが親木となって苗を守り、栄養も根を通して苗木に補給されます。また、キノコもよく生えていて、その菌糸が樹木や苗木の根に絡み、栄養を運びます。そのような土地に野の草花が咲き、花や実がなる低木や中木が育ち、コナラ、クヌギなどの成木が森を守る4階層の里山にすることが私たちの目標です。
春もたけなわで、それを象徴するオレンジ色のヤマツツジ、紫色のミツバツツジが木いっぱいで見事でした。地面には赤紫のアラセイトウが群生し、その中に白いイチリンソウ、ミツバツチグリ、ナワシロイチゴの花が所々で咲いていました。